シンガポールでSOHO (最終回) 〜アジアのSOHOが未来の「アジアの共創」に貢献する〜

2004-08-19 飯盛 敦博

インターネットは単なるツールに過ぎず、大切なのは、人と人との信頼関係である。インターネットを活用することの本源的な意義はきめ細やかなコミュニケーションの活性化であり、血の通った情脈(情報+人脈)の構築を容易にする手段である。

インターネットのその利点を活用することにより、地域交流の活性化やビジネスの推進へと繋がっていく。地域の魅力とはその地域の「人」の魅力である。インターネットはより人間らしさを表現することができるツールであるともいえる。

人気のある中小企業のネットショップのは店長の人柄がよくわかり、暖かさがあるという共通の特徴がある。また、きめ細やかなメールでのご対応は、顧客に満足感を与えている。店長の人柄が商品の魅力と相乗効果をもち、一種のコミュニティを形成している。顧客は単に買い物をしたというだけではなく、そこに住む人々の人柄に触れ、リッチな体験と満足感を得ることができる。このように、インターネットは使い方によっては、人と人との交流を深くしたり、その地域の魅力を発信することができる。

アジアのSOHOはインターネットでその国の魅力を表現していってほしい。地域という個性、そこに住む人の魅力をインターネットでどのように発信するかを「住民ディレクター」をキーワードに活動している事例を紹介する。

有限会社 プリズム

岸本氏は、熊本県で平成8年から住民ディレクターを育成する活動に携わっている。これは、「地域作りへの具体的支援の方法」と「住民のためのメディアの在り方」の実践方法である。また、目的は「地域創りリーダーの養成」と「地域住民による地域情報の発信」である。人吉球磨地域で「住民ディレクター講座」開講。戦略として3年間は自治体職員の育成をした。自治体職員の地域間の人材交流ができ、45人が育っている。1999年のくまもと未来国体では、ボランティアスタッフ約120人で、イベントFM放送局「FMみらい」を企画・運営。参加者は会社員、主婦、学生など職業もさまざま。「国体 私たちが伝えます」と生き生きと活動した。KAB熊本朝日放送の夕方ニュースで、4月から8月までは、未来国体の情報を、9月から10月は身障者のハートフル大会の番組製作を行う。今後は、KABのローカルメディアの未来戦略と住民ディレクターの位置付けを検討する。熊本市のCATV、株式会社熊本ケーブルネットワークでの「使えるテレビ」という番組を製作。これは、住民の住民による住民のための在り方を模索。ボランティアでの自主運営という形態をとっている。住民ディレクターの主体性、自主性を保障する場としての役割を果たしている。「住民ディレクター」はメディアにでることが第一義の目的ではなく、地域創りの活動のためにメディアを主体的に積極的に使っていく生き方を創造することが目的である。地域の魅力は住んでいる住民が一番わかっているはずである。住民自身による地域の魅力の発見と情報発信は、インターネット上での「個性と親近感」になりうる。   このようにアジアのSOHOが積極的に地域の魅力を発信し、交流を深めることが「アジアの連携」を実現する有効な手段となるかもしれない。SOHOによる新しいアジアの共創を願っている。

 
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