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シンガポールでSOHO (19) 〜シンガポーリアンに慕われる日本人〜2004-08-12 飯盛 敦博
「ナンデモイイヨ!」片言の日本語でシンガポーリアンが嬉しそうに私に話し掛ける。この言葉は、シンガポールに5年間駐在したある会社の取締役(日本人T氏)が良くいった言葉だそうだ。数年たった今もT氏と一緒に仕事をしたシンガポール人の間に印象深く残っている。会社である程度の役職を与えられるとストレスやプレッシャーも多くなる。これは、日本人でもシンガポール人でも同じだ。T氏はさらに、シンガポール、マレーシアの責任者でもあった。事業の立ち上げの時期でもあり、相当な苦労があったことであろう。そのなかで仕事は大きな成功をおさめている。 T氏はいつも微笑をたやさなかったという。T氏の仕事に対する姿勢は「ナンデモイイヨ!」である。これは、物事をいいかげんに扱うという意味ではない。まずは、相手の意見を素直に聞くことと、現状をありのままに受け入れる心、それに的確に対応する行動を意味している。T氏は心の切り替えが早い。シンガポール人が唯一、彼が怒ったところをみたことがある。彼は、問題のある報告を聞くと手にもっていたミネラルウォーターのボトルを怒りで投げつけた。が、その後ミネラルウォーターをひろいあげるとそこには、いつものT氏の笑顔があった。人間はストレスやプレッシャーを感じるとそのことばかり考えてしまう。しかし、T氏は上手く受け流して笑みをたやさず、まわりの人が働きやすい環境つくりをしている。異文化理解というのは難しいことであるが、T氏のような心のもち方が大切なのではないだろうかと思う。 アジアの価値観について、電通総研レポートの「1996〜1998年価値観国際比較調査」で次のようにある。 独自性として認識される「家族重視」「自然観」「寛容性」 アジア各国の人々の多くは、自国社会は寛容であり、今後もその寛容性を保つのが良いと考えているが、この傾向は、多様な民族、多様な文化、多様な宗教が存在し、相互に交流しているアジアという地域の特徴を反映しているものといえよう。T氏の寛容性がシンガポーリアンに慕われるもとになったのであろう。それは、アジアの価値観としてみても重要な要素である。 |
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