シンガポールでSOHO (16) 〜国際メディア都市を目指すシンガポール〜

2004-07-16 飯盛 敦博

シンガポール政府の政策はまさにSOHOが活用できるものが多い。Media21ビジョンとコネクテッド・ホームズ・プログラムを紹介する。

■Media21ビジョン

シンガポール政府はデジタル・メディア産業を高成長産業として位置付けしている。2003年7月にMedia21ビジョンを発表し、国際メディア都市を目指すことを内外に示した。背景には資源の少ない都市国家であるシンガポールはアジア地域のインフォメーションハブとして最新のテクノロジーをリードしていくことが不可欠との認識がある。シンガポールには魅力あるコンテンツが少ないという指摘がある。デジタル・コンテンツ産業育成の取り組み自体は早かった。1991年には世界に先駆けてブロードバンド化を促進する「シンガポール・ワンプロジェクト」をスタートする。

シンガポール・ワンに加入すると「広帯域用双方向マルチメディア」コンテンツの利用が可能となる。しかし、利用者数は伸び悩んだ。その主な理由は利用料金が高いこと、コンテンツが少ないことであった。 2003年4月に情報通信開発庁(IDA)が「コネクテッド・シンガポール」という情報通信に関する3ヶ年計画を発表した。コネクテッド・シンガポールとはシンガポールの新しいIT政策である。その中で一般家庭のブロードバンド利用率を2001年の17.7%から2006年には50%に増やすこと、デジタル映像の取引を2006年までに現在の150百万シンガポールドルから500百万シンガポールドルに増やすことが盛り込まれている。この政策に伴い、2003年7月にMedia21ビジョンという、向う5年間で総額1億シンガポールドルのデジタル・コンテンツ振興ファンドを発表した。

■コネクテッド・ホームズ・プログラム(ホーム接続プログラム)

シンガポールでは最新の技術を生の環境で実験しようというプログラムがある。シンガポールの企業だけでなく、外国の企業の参加も認められている。プログラムの目的は、家庭と地域を対象にした革新的で統合された“エンド・ツー・エンド”のソリューションを開発・試行するために、ITやサービス産業などの業界に対し、シンガポールをプラットフォームとして提供すること。プログラムの具体例としては、現在、次のような計画が承認されている。

  • 日常生活のさまざまな活動、例えば、請求書の支払、商品の購入、市役所への手続き、Eメール、ビデオ会議、家電製品の操作、消費電力のチェックなどを、簡単なタッチスクリーン・パネルにタッチするだけで済ますことを可能にする。そして、そのようなオンライン・サービスを各家庭(エンド・ユーザー) に提供する。
  • 住宅内のすべての家電製品をインターネットと接続させ、家庭内外からの操作・管理を可能とする。
  • 外出していても携帯電話などを使い、台所の火の元の確認や、洗濯機・エアコンなどの家電製品の操作や、セキュリティの監視などを可能にする。
  • 外出中などに、来客があったり、家族が帰宅した場合、携帯電話などを通じた会話や、リモート操作による玄関の開閉などを可能にする。

参加企業のメリット

参加する企業にとってのメリットとしては、2つの要素を挙げることができる。

  1. このテスト環境で消費者ニーズを把握し、開発技術を磨き、実用的なビジネスモデルを開発することで、将来、より大規模の市場や海外市場に進出するステップアップとすることができる。
  2. 資金面で、事業費の半分がシンガポール政府からの補助金として提供される。
 
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