シンガポールでSOHO (10) 〜チェンマイに魅了されて〜

2004-06-03 飯盛 敦博

旅行できたときにたまらなく好きになって、そこで住んでみたい/仕事をしてみたいと思ったことはないだろうか。タイ在住のAKIJapanの馬渡正明氏はまさにこのパターンである。

旅行でタイ、チェンマイを訪れていっぺんに気に入ったという。彼のホームページのタイランド情報には単に地域ポータルサイトを狙っただけではなく、いかに地域への愛情があるかが伺える。アジア活動人というフォーラムも開催している。「真にアジアを愛して活躍中の個人、作家、写真家の為のフォーラムです。当フォーラムは活動家の情報交換と交流を目的としており、非営利で運営されます。」

KIJapan タイ
http://akijapan.com

■タイでの仕事

馬渡氏によるとタイでの仕事の楽しさを次のように話してくれる。「私の場合、ほとんどインターネットを通じての仕事になりますので、仕事と回りの環境と全く異なった世界を自由に行き来しているようなものです。ちょっと息抜きで、近くの市場などに出かけ、買い物や現地の人と触れ合えるのが非常に楽しいです。」SOHOとしての仕事環境もよいという。「物価が安く、便利、それでいてゆったりと静かな環境で仕事ができます。」彼が、現在の生活、仕事環境に満足している様子が伺える。馬渡氏は日本でもSOHOとしてホームページの作成に携わっていた。技術のスキルはすべて独学で身につけた。旅行できたタイ、チェンマイの環境が気に入ったのと、生活費が安いので少ない仕事量でも充分にSOHOとして成り立つと思い当地での事業に踏み切った。顧客の発注はほとんどが日本からである。SOHOというワークスタイルのメリットはインターネットを使えば場所と時間を選ばずに仕事ができるところであると馬渡氏は考える。クライアントと会って打ち合わせをしなくても受注しているのである。彼のホームページのインフォメーションに次のような記述がある。「SOHOによる完全在宅業務のため、電子メール、電話、ファックスでのやり取りになります。」しかし、現実には会って打ち合わせすることが必要というのが彼の実感である。私も仕事のやりとりをする人とは、必ず会うようにしている。ただ、一度会った後の継続した打ち合わせでは、ホームページや電子メールを活用することが多い。馬渡氏の目指すスタイルも最近では少しずつ受け入れられているのかもしれない。

■タイのインターネット環境

私としては気になるのは、タイのインターネットへの接続環境である。実は、私もマレーシアのジョホールと頻繁にメールで連絡をとっているが、まだ、インターネット接続環境が悪いところがあり、仕事が滞るなど苦い経験がある。メールを2日前にマレーシアに送ったのにまだ届いていないことさえある。日本政策投資銀行の2000年の調査報告書にタイのインターネット環境について次のような記述がある。タイ国内サービスを開始しているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)数は16社で、インターネット利用者数は80万人となっている。しかし、16社あるISPの中で運営が黒字化しているのは6社にすぎないという。実際のインターネット環境を馬渡氏に尋ねてみた。ダイアルアップで接続しているという。「ここタイでは、まだネット事情が悪く、つながりにくい。電話料金は1通話10円程度で市内は時間制限無し。インターネット接続料は通常のプロバイダー契約が有りますが、日本より割高。その他に、時間単位あるいは月単位で接続の権利を買うことができて、こちらのほうが手軽です。30円/時間、無制限で1200円/月程度です。いろいろ試していますが、一般的に遅く、無制限接続/月などは使い物になりません。」アジアのSOHOにとってつらいところであるが、すべてを日本と同じ環境にと考えるには無理がある。そのなかでどうベストをつくすかが大切だ。

■タイの魅力

馬渡氏はタイという土地、そこに暮らす人の魅力について次のように語る。「食べ物が美味しい。人々は何事にも大らかで、純朴なところでしょうか。」彼の妻はタイ人でなんと元女子プロ・ムエタイ(キックボクシング)の選手だった。馴れ初めは、近所に住んでいてよく顔を合わせることがあったからということだった。

■働くことの意義

アジアのSOHOには自分のスタイルの確立が重要である。馬渡氏は、働くことの意義を次のように述べている。「仕事は趣味の延長で良いと思います。言葉が悪ければ、好きなことをを仕事にすれば良いと思います。そして仕事と家庭がいい関係にあれば充実した生活、人生になるのではないでしょうか。」

■アジアのSOHOになるためのアドバイス

アジアでSOHOを目指す人へどんどん挑戦してもらいたいとエールを送る。「やってやれないことは何も無いと思います。大切なことは、やろうと思うこと。実行すること。」大切なことは現地の生活にとけこみ、自分のスタイルをみつけることだという。

「安易に日本スタイルに逃避せずに、現地の生活に自分を合わせる。」アジアのSOHOには、現地との融合の中に自分のスタイルをみいだすことが大切である。このことを馬渡氏は実践を通じて実現している。

 
Copyright(C) 1998-2010 SOHO'S REPORT All rights reserved.